ABOUT BRITISH LITERATURE HISTORY

PhotoBy:flashcurd
2011/04/23
中世前期
イギリス文学の範疇に含まれる文学テキストは、8世紀~9世紀頃に成立したものからしか残されておらず、
従って周辺ヨーロッパ文学において古代と呼ばれる時代に該当するテクストはイギリス文学においては存在しません。
中世の前半期と呼べる8~11世紀に古英語が成立し、現代英語の源流となっていますが、その古英語で書かれたテキストとして、
叙事詩『ベオウルフ』およびラテン語福音書の東イングランド方言による翻訳が挙げられます。また、ウェセックス王国の
アルフレッド大王が文教政策を推し進め、『パリ詩篇』やボエティウスの『哲学の慰め』を自らラテン語から翻訳するなど、
ウェセックス方言が古英語の標準となりました。
中世後期
1066年にフランスのノルマンディー公ギヨームがイングランドに攻め入り、ウィリアム1世として即位してノルマン朝が成立すると、
英語は屈折語尾の消失や統語も語順への依存度を増すなど、中英語へと進化していきます。中英語期のテキストの金字塔としては、
ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』があります。ロンドン方言で書かれているが、イタリア、フランスへ渡ったことが
あるとされるチョーサーは大陸的詩作法の影響を大いに受け、ゲルマン詩の特徴であった頭韻を脱し、脚韻を用いています。
同時代の詩人では、『ガウェイン卿と緑の騎士』のガウェイン詩人、『農夫ピアズの夢』のウィリアム・ラングランドが有名。
1450年頃、ヨハン・グーテンベルクによる活版印刷技術の発明がウィリアム・キャクストンによってイギリスに持ち込まれ、
印刷が急速に広まりました。
ルネッサンスとエリザベス朝演劇
16世紀頃には、屈折語尾は現代英語に限りなく近い形へと消失、SVO型という語順も定着します。ただ、18世紀までは初期現代英語
あるいは近世英語と呼んで区別する場合があります。エリザベス朝の頃に文学は盛んになりました。
サー・トーマス・ワイアットの叙情恋愛歌を先駆とし、エリザベス1世のためにエドマンド・スペンサーが『妖精の女王』を書くなど、
宮廷の庇護を受けた感もあります。また、中世のころから教会で行われていた奇蹟劇、教訓劇はや次第に専門化され、
そのためこぞって脚本が多く書かれました。リリー、ロバート・グリーンなどの優れた劇作家が輩出され、マーロウによって
基礎が築かれました。リリー、グリーン、マーロウ、キッド、トマス・ロッジたち、オックスフォード・ケンブリッジ大学の出身です。
エリザベス朝における作家人たちを、大学才子といい、彼らの作風や、当時流行していた大陸の詩などを学び、
シェイクスピアが成功をおさめることとなります。彼は四大悲劇『ハムレット』、『マクベス』、『オセロ』、『リア王』などを書き、
詩人としても多くのソネットを残しました。その卓越した作品群は、イギリス文学のみならず各地域の文学、演劇などの
ジャンルに大きな影響を与え続けています。
王政復古~ビクトリア朝時代
17世紀に入ると、ジョン・ダンやジョージ・ハーバートなどの形而上詩人が活躍。
演劇では、ベン・ジョンソン、ジョン・ウェブスターらが活躍。また清教徒革命を背景としてミルトンが活躍。
英語による小説が盛んになったのは1719年のデフォー作『ロビンソン・クルーソー』からです。
さらにスウィフトは『ガリバー旅行記』を書き、中期にはヘンリー・フィールディングが傑作『トム・ジョーンズ』を発表しました。
18世紀の終わりごろにはゴシック小説が流行しはじめました。
イギリスのロマン主義は、ワーズワース、コールリッジの共著『抒情歌謡集』に始まります。
ワーズワース、コールリッジはフランス革命に対し憤慨した後保守派に回ったが、バイロン、シェリー、キーツはイタリアに移り、
理想主義を掲げました。
ビクトリア朝時代になり、国民と長らく遠ざかっていた宮廷が親密なものとなりました。
これに順応したのは、詩人のテニソンでした。テニソンは『アーサー王伝説』に取材した『国王牧歌』で、
当時の倫理観をもとに描ききりました。
国家の自己満足に反抗したのが、ブロンテ姉妹や、カーライルら。
ディケンズは『オリバー・ツイスト』『デイヴィット・コパフィールド』、サッカレーは『虚栄の市』を発表。
ブロンテ姉妹のうち、長女シャーロットは『ジェーン・エア』を、次女エミリーは『嵐が丘』を発表し、当時の社会を打破しようと試みました
19世紀中盤の教育制度の発達と共に、挿絵を含むものが多くなり、ディケンズはもちろんのこと、ルイス・キャロルの
『不思議の国のアリス』などは、すでに挿絵が作品の一部である例といえます。
20世紀
20世紀に入り、主な旗手として、アメリカ出身で後にイギリスに帰化した詩人のT・S・エリオット、アイルランド出身の小説家の
ジェイムズ・ジョイス、フェミニストとしても有名なヴァージニア・ウルフらをあげることができます。
第二次世界大戦後のイギリスは特に1960年代に大量に移民を受け入れて以来、多文化国家であり、
文学にもその影響は如実に現れています。サルマン・ラシュディや、また近年ではアルンダティ・ロイやゼイディー・スミス、
カズオ・イシグロのように、非白人の書いた小説が高い評価を受けています。